『ウェッジ使いの名手ミケルソンが愛してやまなかったウェッジ』
今回はウェッジの使いの名手フィル・ミケルソンが愛したウェッジについてのお話になります。
フィル・ミケルソン(以下、ミケルソン選手)は有名なプレーヤーですが、ご存じない方のためにまずご紹介しましょう。
❑ フィル・ミケルソン
ミケルソン選手は左打ちの名プレーヤーでメジャー大会に5回優勝・・・マスターズ3回、全英オープン、全米プロ各1回・・・しています。
あと全米オープンを優勝すればグランドスラムを達成できるのですが、6回2位/2位タイに入っているものの、優勝することが出来ていません・・・でも、2位が6回ってスゴイ❗❗
彼は左打ちとして有名なのですが、本来は「右利き」なのです。ゴルフを習う際にお父さんの正面で覚えたので、ゴルフだけは左でやることになったそうです。お父さんはまさに「鏡」だったんですね!
彼は1999年頃まで長い間に渡って日本のヨネックスのクラブを使っていたんですよ。ちなみに今(2017年現在)はキャロウェイと契約しています。
デビュー当時(1992年頃)は細く、来日時の大会でもジャンボ尾崎選手のドライバーにかなり置いて行かれていた記憶があります。しかし、その後、体格が大きくなり、少し前まではPGAツアーでも飛ばし屋の中に数えられていました。
それでも、ミケルソン選手の得意分野は長いクラブではなく、小技です。特に
彼のロブショット(※)は✨一級品✨
※ 短い距離のアプローチで高く上げて止めるアプローチの技術。
です。
以上がミケルソン選手についての簡単なご紹介です。
ご挨拶がてらミケルソン選手の技を一つ披露してもらいましょう。
◆ 「後方へ飛ぶアプローチ」(※)
※ この技は単なる曲芸ではなく、ミケルソン選手は実際のトーナメントで使用しています!
左打ちの彼としては普通目標は画面左←になるはずですが、ご覧になっていただくとおわかりのように彼が狙っている目標は右→にあります。
ゴルフは発想力/発明も一つの大事な要素です!
それではどうぞ。
※ Youtube画像になります。削除されていましたらゴメンナサイ。
さて、そんなアプローチ/バンカー名人のフィル・ミケルソン選手ですが、それだけにアプローチで使う道具・・・ウェッジにもこだわりがあります。
それでは今回の本題である「彼の愛したウェッジ」について話を進めていくことにしましょう。
❑ ミケルソンの愛したウェッジ
その彼の愛したウェッジとは
PING社のEYE2ウェッジ
です。
このEYE2ウェッジは今でも、復刻してPING社のGORGEテクノロジーを搭載しまして発売されています。
ちなみにこのEYE2ウェッジはウェッジ専用として設計されて発売されたのではなく、発売当初は
EYE2アイアンセット内のウェッジとして
発売されたんですね。このアイアンセットの中の名器はウェッジに限りません。
コチラの話にも登場しますよ(下の画像にも登場していますね😉)。未読の方はよろしければどうぞ。
『1番アイアンはどこへ?』
今回は『1番アイアンはどこへ?』というお題でお話させていただきます。 すみません、おそらく、今回の寺子屋講義は皆さんの日頃のプレーに直接には役立たないです…
一般的に名器のウェッジはウェッジ作りの名人がソールの形状、重心の高さ、溝(スコアラインと呼びます)の掘り方などを検討に検討を重ねた上で作成するものですが、アベレージゴルファーにも使用可能なアイアンセットとして開発されたセット内のサンドウェッジなどが名器になるのは非常に珍しいことで、クラブマニアの須崎の知るところでもあとはバンカーショットの名手「世界の青木」こと青木功選手が長らく使用しましたLYNXのマスターモデルのサンドウェッジくらい(※)でしょうか。
※ たとえば「◯○プロモデル」のようなアイアンセットでは名器となったウェッジは他にもあります。そのようなセットのウェッジはそのプロの求めに応じたものを用意しますので、いわば、単品のウェッジを作成するのと同じ形になりますからね。
このEYE2ウェッジは契約外の有名プロも随分使いましたね、小技の名手セベ・バレステロス選手も一時、使用していました。またPINGの契約選手でもウェッジだけは新しいモデルが出てもず〜っとこのEYE2で通す選手もいましたよ。
❑ EYE2ウェッジの優秀性
それではミケルソン選手がこのEYE2ウェッジを愛したのはこのクラブが彼の好みだっただけでしょうか?
まあ、好みだったから愛していたのは間違いないでしょうけれど、その性能の優秀さも間違いなく貢献していたと思います。
このEYE2ウェッジはフェースのスコアラインにその後物議を生むことになる「U字溝」を備えていました(※)
※ この溝があまりにもスピンを生むので、一部の選手から「フェアではない」というクレームが持ち上がり、USGA(全米ゴルフ協会)がこの溝を使用できないようなルールを作り、それに対してPING社が訴訟を起こし、最終的にPING社が1990年以前に作成されたクラブはその後ルールが変わっても使用可能という権利を勝ち取りました。
ミケルソン選手がこのウェッジを気に入っていたのは「この溝の為」と理解している人が多いと思うのですが、それだけではないのは確かです。
なぜなら、彼が制作に携わった比較的新しいモデル(2017年現在)である「キャロウェイ PM グラインド」(下絵ご参照ください・・・PMはフィル・ミケルソンのイニシャル)というウェッジはEYE2を彷彿(ほうふつ)とさせるクラブヘッド形状を持っているからです。
並べてみましょう👀
デザインは置いておきまして全体の形状が似ていることに気づきますか?
三角形の形状、トウ(※)のとんがり具合が似ているところです。
※ トウ:クラブフェースの先端寄りの部分のこと。反対語は「ヒール」でシャフト寄りの部分。
その他にも、このウェッジはキャビティー内部の掘り方がSW(サンドウェッジ)とLW(ロブウェッジ)で微妙に変化が付けられていたり、ソールの抜けが良いようにソールの削りが工夫されています。
また、日本人にはあまり好まれない顔(クラブフェースの形状のことです)ではありますが、トウ側が高く、シャフトの付け根側であるヒールに向けて急激に低くなっている上に、グースネック(※)になっているので、
クラブフェースをとてもクラブを開きやすい
という特徴を持っています。
❑ 須崎の試打印象
フィル・ミケルソンが愛したこの名器PING EYE2ウェッジ。
クラブマニアの須崎が持っていなかったわけがありません😃
出逢いは須崎がまだ銀行員でニューヨーク駐在だった1999年頃。
ゴルフをしない先輩社員とゴルフクラブの話を熱く語っていたら・・・ゴルフしない先輩なのに私の話を聞いているのも大変だったと思います😅・・・その先輩がお父様から譲られたクラブの話を始めてくださいまして、それがPINGのEYE2アイアンだったことが判明しました。
当時、PING社は新製品を発表しており、既に
EYE2アイアンを新規で購入することは不可能
でしたが、クラブマニアの須崎には先輩から話を聞いているうちに
悪知恵😁💡
が頭に浮かびました。
須崎はPING社の素晴らしいシステムだと思っているのですが、PING社のアイアン、ウェッジ、パターにはその一本一本やあるいはセットで通しの「登録番号」が刻印されているのです。
たとえばこんな感じに・・・
このクラブの番号は「2R9091」とあります。この番号でPING社では長さ、角度等々の仕様詳細を管理しているんです。
今はPING社も過去モデルの在庫を持たなくなってしまったので無理ですが、2000年前後はまだこの「登録番号」を元にクラブを作成してもらうことが出来ました。
そこで私は先輩がお父様からいただいたEYE2サンドウェッジと同じものを手にすることが出来ました。このEYE2には
「ステンレス製」のものと「ベリリュームカッパー製」のもの
がありましたが、先輩のはベリリュームカッパー製のものだったので、私の手元にはベリリュームカッパーのものが来ました😄
先にも書きました通り、まず感じたのが
クラブフェースを「開きやすい」し、「閉じやすい」
ということ。したがって、テクニックを使う際に
「イメージを出しやすい」
ということですね。
そして、このアイアンがアベレージゴルファー向けだった通りに、技を使わない
普通のクラブフェースの向き(=スクエアフェース)のままでも打ちやすいクラブだなぁ〜♫
という印象を持ちました。
最後にスピン性能ですが、まあ、確かにその頃販売されていました他のウェッジの中ではスピン量は多かった🌀ですが、その後、日本でブームとなりました角溝の激スピンウェッジの方が全然スピン量は多かった🌀🌀🌀ですね。
さあ、今回はフィル・ミケルソン選手が愛したPING EYE2 ウェッジについて一緒に学びました。
今回もお読みいただきまして有難うございました😃
また一緒に楽しみましょう!!