『七海メンタルを学ぶ(1):自己を知る』
今回はプロゴルファーを目指す研修生七海(※)が和尚と「自己を知る」というテーマでメンタルに取り組んでいるところにお邪魔して一緒に学ばせてもらいましょう。
※ 七海は女子プロゴルフのプロテスト突破を目指す18歳の研修生。技術だけでなく、自分の能力を発揮し切るための「メンタル」の重要性に気づき、2017年夏から和尚の指導を受けはじめた。
七海:
和尚、こんにちは。七海です。今日もよろしくお願いします。
和尚:
七海、よく来たね。
もう来る頃かと待っていたよ。最近のゴルフの調子はどんな感じだい?
七海:
ええ、お陰さまでスウィングやその他の技術は順調に上がってきています。
あとはこの技術が緊張の極限でもロスなく発揮される「心」を養えるかどうかだと思っています。
和尚:
ああ、そうなんだ。それは順調そうで何よりだね。
七海:
それで和尚、今日も「メンタル」についてのお勉強をとっても楽しみにお伺いしたんですが、今日は何をお話してくださるんですか?
和尚:
そうだね・・・今日は
「自己を知る」
ということについて一緒に見ていこう♫
七海:
「自己を知る」・・・ですか?
和尚:
うん、そう。
七海の言う「メンタルを強くする」とか「心の問題を解決する」というのは簡単に言ってしまうと
「自己を知る」
ということなんだよ。
七海:
えっ? そうなんですか? 何かピンと来ないんですが・・・。
「メンタルが強くなる」っていうことは、
弱気になる自分が努力して「強気」になったり、
「心が折れない」ようになること
かと思っていました。
和尚:
ああ、そうだね。
精神を強くするというと昨今は
「強い気持ちで」
とか
「ポジティブシンキングで」
とか真っ先に浮かぶものね😉
七海がそう思うのも無理はないね。
だけど、そういうことも意味がないとは言わないけれど、「枝葉」のものなんだね。
というわけで、七海はせっかく若いうちからメンタルのことを学んでいるんだから、「根っこ」のところから取り組もう!
それに、これからの時代はメンタルも「本物」しか通用しないようになるよ😉
いいね!
七海:
はい!!
和尚:
では、いよいよ今日の本題に入ろうか。
今日の本題は
「自己を知る」
ということだったね。
大事なことなので、もう一回繰り返すけど、メンタルが強くなるということは、
「自己を知る」
ということなんだ。
皆(みな)自分のことは知っているようでまったく知らないんだ。
本当に不思議なことだけどね。
この私が言っている「自己」というのは、七海で言えば身長166cmで、女性で、18歳で、血液型がA型で、長女で、性格が○○で・・・という一般的に皆が思っている「自分」とは違うんだね。
どうした七海、そんな目を丸くして・・・。
七海:
えっ? だってその自分しか知らないわ。
和尚:
それはもっともなことだよ😃 心配しないでも大丈夫😉😉
今はただ話を聞いておくだけでOK👌
そして、時間のあるときに静かなところで今日聞いたことをよく考えるようにしてごらん。
いや、ちょっとやそっと考えたところでわかるようになるわけじゃないよ。でも、考え始めないとわかるようにはならないよ。
それと一日に黙想でも座禅でも良いから「一人で静かにしている時間」を設けてごらん。
今、私が言ったことを「わかろうとしないで」、「ただやってみる」ことが大事だよ。
七海:
わかりました。
和尚:
それで、「自己を知る」にはまずこの自己というものを観察👀してみないといけないね。
そう思わないかい?
「その花を知ろう」と思うたら、その花を観察する
のと同じことね😉
ただね、人はふつう、
自分のことを「観察しよう」という発想が浮かばない
んだね。
「自分が自分であること」に何の疑問もない
ものね。
だから、その「何の疑問もないところにメスを入れようとする」こと自体が一つの尊いご縁なんだ。
有り難いことなんだ。
さて、この「観察する」ということだけど、はじめの内はそう簡単じゃないよ。
ほんのちょっと前に「和尚に言われたから」と「観察」し始めたのに、気がついてみるともう「観察」していないことに気づくはずだよ😁
そういった訳で初めは「観察する技量」が足りないから、「観察しやすい」ところから少しずつ始めていくといいよ。
たとえば、自分の歩いているところを観察するんだ。
右足が地面についたら「右足」、左足が地面についたら「左足」と言いながらやれば「観察していること」がはっきりするし、「観察しよう」という「気」がそこへ向くんだ。
そしてもう少しうまくなってきたら、今度はスローモーションで歩いてみて、それを事細かに観察したことを報告する、つまり、口で言ってみよう!
たとえば、こんな調子ね。
「右足を上げる、今かかとが浮いた、指先が浮いた。足が上がっています、上がっています。下がっています、下がっています、かかとが(地面に)着いた。指先が着いた。左足が・・・」
というように。
それで、それを行っているときに「考えごと」(=思考)をしていることに気づくことがあるから、そんなときには「考えている。考えている」とすかさず、その観察した事実を言うことを忘れないように注意しよう。
このことをスリランカのお坊さん、スマナサーラ長老は「実況中継」とおっしゃっているよ。
慣れて来たら、ゆっくりやればやるだけいいよ。
このことはもう
立派な瞑想
なんだ。
瞑想は心を強くするから、もうこれだけでも
立派な「メンタルトレーニング」
というわけ。
七海はまだピンとこないかもしれないけれど・・・。
ピンと来なければピンと来ないで良い。そのままで良い。
少しずつやってごらん。
続けてやっておれば、同時並行的にいろいろな変化に気づくはずだよ😄
「観察」を行うだけで
ゴルフにも必要な集中力も知らず知らず付いてくる
しね😉
さあ、七海、本当はまだまだ話したいことがあるんだけど、七海も今日の話を消化しないといけないし、「観察」にも取り組まないといけないからね・・・今日はこの辺りにしておこうか。
七海:
和尚、今日も有難うございました。
何だか雲をつかむようなお話でまだまったく消化できていませんが、次回までに欲張らずに簡単な「観察」からはじめて、それを継続出来るように取り組んでみます。
和尚:
その心がけだよ、その心がけ。
「メンタル」はね、
知らず知らずのうちに変化が起こるもの
なの。
「自分はまったく変わっていない」と思っているのに「変わっていたりする」
のが「メンタル」の醍醐味(だいごみ)の一つなんだ。
だから、「自分はメンタルが改善しているんだろうか?」、「和尚の話は本当に効いているのかしら??」などとヘッドアップせずに教わったことを「騙(だま)された」と思ってやってごらん。
七海:
わかりました。
ところで和尚、今日はアベレージゴルファーの皆さんも和尚のお話を一緒にお聞きになっていらっしゃいましたけど、私のようなプロを目指している上級者のゴルファーだけでなく、アベレージゴルファーの皆さんにも今日のお話は大切で実行可能と思っていいんですよね?
和尚:
もちろん、もちろん😄
「メンタルの世界」には「プロ」も「アマチュア」もない
んだ。その上、私が七海に話していることは
「ゴルフ」に限らず、人が生きていく上で大切なもの
なの。
「メンタル」の学びを進めていくうちにそのこともわかってくるはずだよ。
わかる人には「ああ、そうか」とすぐにわかる。
わからない人にもいずれ「ああ、そうだったか」とわかる。
須崎の『ゴルフに役立つメンタル』でした。
グッド・ラック👍
今回もお読みいただきまして有難うございました😃
また一緒に楽しみましょう!!