『ゴルフではストレートボールは危険球??』
アベレージゴルファーは「まっすぐなボール」に憧れを持っていらっしゃるようですが、その取り方を間違えるとゴルフ上達の障害になります。今回はそのあたりのことにつきましてお話したいと思います。
❑ プロは「曲がるボール」を打っている
アベレージゴルファーの方の多くはプロや上級者は「超まっすぐなボール⬆を打てる人たち」と思っていらっしゃるようです。
それで、ゴルフに取り組み始めてから、その自分の価値観を目標に練習するわけですね。
ところがドッコイ、プロや上級者ほど「曲がるボール」を打っているのです。その「曲がるボール」のことを
「持ち球」
と言います。
ここで幾人かのプロゴルファーの「持ち球」を一緒に見てみることにしましょう(※1)。
※1 プロは一定期間のスウィング改造を経て「持ち球」を変更するケースもあります。
◆ フェードボール(※2)が持ち玉のプロ
宮里優作、藤田寛之、宮本勝昌、伊沢利光、尾崎将司、青木功(※3)、岡本綾子(※3)、横峯さくら、ババ・ワトソン、ジャック・ニクラウス(※3)、リー・トレビノ
※2 フェードボール:落ち際に「右」↷へ切れるボールのこと
※3 全盛時
◆ ドローボール(※4)が持ち玉のプロ
青木功(※5)、イ・ボミ、宮里藍、藤田光里、トム・ワトソン、トム・レーマン
※4 ドローボール:落ち際に「左」↶へ切れるボールのこと
※5 初期
❑ 「曲がるボール」の利点
それではなぜ、プロや上級者は「ストレートボール」を打たずにわざわざ「曲がるボール」を打つのでしょうか?
ゴルフのショットには
「ミスがつきもの」
です。
ゴルフは球体のボールをフェースという面で打ちますので、その大小はさておきまして
「必ず左右⇔どちらかに回転(スピン)がかかってしまう」
のが常です。
一見、まっすぐなボールでも人にはわからないだけで、「必ずどちらかに回転がかかっている」のが実情です。
・・・というわけで、ゴルフは「完璧なショット」が「連続」あるいは「比較的続く」という競技ではありません。
ですから、今、「見事なストレートボール」が出たと言っても、悲しいかな、
次はその同じ見事なボールを出すことは確率的に非常に低く、「違うボールが出る」可能性が高い
のです。
「ストレートボール」を打った後に違うボールが出る可能性があるのは
「左」も「右」もあります
ね。
・・・なので、次打は下図「2?」のように「左右いずれへも曲がる可能性がある」ということを考慮しますと「①」のように「真ん中」へと打つしかなくなり、フェアウェイを「一本の線」のようにしか使えなくなります。
一方、あなたの持ち球が右へ曲がる「フェードボール」だとしますと、あなたのボールがミスで曲がるのは「右のみ」ということですから、左サイドのトラブルは無視できるのです。
極端に申し上げれば下図の「①」のようにフェアウェイをいっぱいに、あるいは「③」のようにもっと池の方も含めた領域をも含めて使用することが出来るわけですね。
このことを
「フェアウェイを広く使う」
と言います。
このようにフェアウェイを広く使うことができるので、「曲がるボール」の方が「ストレートボール」よりも利点があるのです。
ココで余談ですが、「右へ曲がる持ち球」のゴルファーは「左へ目標を取る」ことになりますね。
いくら「持ち球」といいましても、やはりゴルフにミスはつきものです。
「左へ狙った」のにいつもの「右へ切れるボール」が出ずに逆に「左へ曲がるボール」が出ることもあります。
このことを米国のゴルフ中継では
「ダブルクロス」(double cross)
と呼んでいます。
❑ 「曲がるボール」を整える
ここまで「ストレートボール」よりも「一方向に曲がるボール」の方がゴルフというゲームには役立つということをお話してまいりました。
ただ、いくら「曲がるボールの方が利点がある」といいましても、「左右どちらにも曲がる」あるいは「一方向だけど曲がり幅がまちまち」というのでは「利点」になりません。
「左右どちらにも曲がる」という方は
まずは「曲がりを一方」にするように練習すると良い
でしょう。
次に「曲がりは一方向だけど、曲がり方がまちまち」という方は、いきなり「まっすぐなボールを打とう」とするのではなく、
まずは「一番大きく曲がるボールの曲がり幅を1/3になることを目標に」練習
されるといいでしょう。
それを繰り返していき、
曲がり幅が「グリーン一つ分」(20〜30ヤード)
に収まったら、アベレージゴルファーであればひとまず十分です。
今回もお読みいただきまして有難うございました😄
また一緒に楽しみましょう!!