『ゴルフクラブの「ライ角」って何ですか?』
今回はゴルフクラブの「ライ角」について一緒に学びましょう。
「ライ角」はゴルフをプレーする上で
とても大切な角度
です。
最近はフィッティング(※)が一般的になってきたので以前と比較しまして「ライ角」という言葉もポピュラーになった感じはありますが、それでもまだまだ十分に浸透したとはいい切れません。
※ フィッティング:ピッタリのクラブを選ぶためにゴルファー一人ひとりに合わせて、シャフトの種類&硬さ&長さ/「ライ角」等を合わせること。
販売されているゴルフクラブには「ライ角」のデータ表示がありますが、皆さんはゴルフクラブを購入される際に「ライ角」の数値を気にされていらっしゃいますでしょうか?
気にするためには「ライ角」について知らないといけませんね。
それでは今回の講義で
「ライ角」についてはバッチリ👍
というほどに学びましょう♫
❑ ライ角とは?
ライ角というのはゴルフクラブのソールを地面に付けて構えた時の
「シャフトと地面の間にできる角度」
のことです。
言葉ですとピンと来ないかもしれませんので絵で見てみましょう。
絵の中の「A」で示された角度が今回のテーマであります「ライ角」になります。
シャフトと地面で出来る角度なのでウッド、ユーティリティー、アイアン、ウェッジ、パターそれぞれに「ライ角」は存在します。
❑ クラブによるライ角の違い
それでは次に各クラブ別にライ角の数値がどんな感じなのかを一緒に見てみることにしましょう。なお、ライ角はモデルによって異なりますので、
ご紹介する数値で固定されているものなんだ
という誤解のないようにお願いします。ほんの一例だということですね。
それでは見て行くことにしましょう。二つの例を見ていきますよ。
【例1】
◆ ドライバー 59.0度
◆ 5番ウッド 59.0度
◆ 5番ユーティリティー 60.0度
◆ 7番アイアン 62.5度
◆ ピッチングウェッジ 63.5度
◆ パター 70.0度
※ 出典(1):DUNLOP GOLFING WORLD ゼクシオテン ホームページ(ドライバー〜ピッチングウェッジ)、ゼクシオテンは「ユーティリティー」という名前ではなく「ハイブリッド」と命名されています。本稿ではわかりやすように「ユーティリティー」という名を使用しています。
※ 出典(2):オデッセイ ホームページ(パター)
【例2】
◆ ドライバー 58.0度
◆ 5番ウッド 58.5度
◆ 5番ユーティリティー 59.0度
◆ 7番アイアン 61.5度
◆ ピッチングウェッジ 63.0度
◆ パター 70.0度
※ 出典(1):テーラーメイド ジャパン ホームページ M2モデル(ドライバー〜ユーティリティー)、M2は「ユーティリティー」という名前ではなく「レスキュー」と命名されています。本稿ではわかりやすように「ユーティリティー」という名を使用しています。
※ 出典(2):ミズノ ホームページ ミズノプロモデル(7番アイアン/ピッチングウェッジ)
※ 出典(3):オデッセイ ホームページ(パター)
【須崎の解説】
【例1】はごく一般のアベレージゴルファーの使用するクラブとしましてパター以外はゼクシオを例に取りました。
【例2】は上級者の使用クラブの一例でウッド/ユーティリティーはテーラーメイド、アイアンはミズノを取り上げました。
比較していただきますと、アベレージゴルファー用のセッティングの方が若干
ライ角が大きい
ということがおわかりいただけると思います。
次の「ライ角についてもう少し深く」のところで詳しくお話しますが、アベレージゴルファーは一般的に右へ↷曲がるボールが多く、クラブフェースを元通りに戻すことが苦手な方が多いので
「ライ角」を大きくしてその「右↷へ曲がるボール」を防ごうということ
がうかがえます。
上級者の場合はクラブフェースのコントロールに長(た)けている上に
「左↶へ飛ぶミスを嫌う」
のでライ角がアベレージゴルファー用のクラブと比較しまして「小さく」なっていることが一般的です。
それではより深くライ角について見て行くことにしましょう。
❑ ライ角についてもう少し深く
ライ角の大きいことを
ライ角が「アップライト」
と言います。
逆にライ角の小さいことを
ライ角が「フラット」
と言います。
この「アップライト」/「フラット」という言葉はライ角に限らず、スウィングの際にも登場する言葉なので覚えておきましょう。
ライ角のことで皆さんが一番知っておかれる必要のあることは
ライ角が大きい(アップライト)と「左↶へ」飛びやすい傾向があり、
ライ角が小さい(フラット)と「右↷へ」飛びやすい傾向があるということ
です。
ライ角についてはこのポイントが最も大事なところですね。
なぜ、そのような結果になるのでしょうか?
あなたが下の絵の左のクラブのように
ものすごいライ角の大きいクラブ=超アップライトなクラブを持たされた
と想像してください。
左のクラブのようにクラブのソールを地面に付けようとしますと、グリップを持ち上げないと(「ハンドアップ」と言います)構えることが出来ませんね。
逆にいつものグリップ位置で構えようとしますと右側のクラブの「B」で示されたところのようにクラブの先端側(トウ)が大きく地面から離れることになります。
これは「つま先上がり」(=「前上がり」)の傾斜でクラブを構えていることと同じことになりまして、ゴルフクラブの
ロフト角が左に向く結果
になります。
このあたりのことにつきましては以下の記事に詳しいので、目を通してみてください。
そのようなカラクリで
アップライトなライ角は「左↶へ飛びやすい傾向」
になります。
❑ 「ライ角」関係の注意点
◆ 輸入物のクラブ(米国仕様等)について
米国仕様等の輸入物のゴルフクラブは同モデルでも
日本仕様よりも安い💰
場合があります。
しかし、米国仕様と日本仕様ではシャフトの種類や硬さはもちろんのこと、今回学びました
「ライ角」が同モデルにも関わらず2〜3度も😱異なる場合
があります。
たとえば安く上げられる米国仕様で・・・とゴルフクラブセットを揃(そろ)えたとしまして一見、
「得した✌」
と思ったことが「ライ角」の設定の違いで
良いスウィングをしているのに球が左↶ばかりに行く😥
ということも起こりえます。
また、たとえばお手持ちのクラブが日本仕様で、そのモデルが良かったので同モデルでユーティリティーを買い足そうとして安く上げられる✌米国仕様で・・・と購入されますと「ライ角」の設定の違いで
同じスウィングをしているのに買い足したユーティリティーだけが左↶へ曲がる😥
という結果を招くこともありますので、輸入物のクラブをご購入される場合でも今回学びました「ライ角」をじっくり調べていただいてからにしたほうが間違いが少なくて済みます♫
◆ スウィングとの関係について
仮に今のあなたのスウィングが
右↷↷に曲がるボールが多く出る傾向
のスウィングだったとします。
確かに「ライ角」を変えることによって球筋は改善するかもしれません。
しかし、その「ライ角」を変えたニュークラブは
「間違ったスウィング」でないとうまく飛ばないクラブ
だということを知っておく必要があります。
スウィングが改善されたときにはそのニュークラブは
「左↶↶へ曲がってしまうクラブ」
ということになります。
さらに注意を要することは人間にはAI(人工知能)にも劣らない
✨ものすごい✨感受性や修正能力が備わっている
のであなたの知らないところで、今の例で申し上げれば
「このクラブは左↶へ引っ掛けやすいぞ!!」
と感じて
ボールを左↶に引っ掛けないようにが右↷へ曲がるように動作を修正
する傾向があります。
ですから、場合によりましては
「一旦改善した右曲がり↷のボールがそのクラブでも右へ↷曲がるようになってきてしまった😥」
ということも起こるわけです。
その時は、もちろんあなたのスウィングは以前よりも悪化している😥ことになります。
そこでもう一度ライ角を変化させて対応しようとすることは中毒と同じ、道具への過度な依存という結果になりましてあなたのゴルフを壊しかねませんので注意⚠が必要です。
私のオススメとしましては
まずはしっかりとした再現性のあるゴルフの動き(スウィング)をある程度作ってからご自分に合う「ライ角」を見つける
ということを心がけていただきますと、あなたのゴルフにとって「ライ角」が大きな味方となると思います。
❑ さらにチョット深く
見て来ましたように
ライ角はボールの↶左右↷の飛びに影響
します。
だからこそ、
見過ごすことの出来ない大事な角度
なのですね。
今お話してきたようなことが頭に入っていますと、たとえば「フェードボール」(左から右へ軽く切れるボール)を持ち球にしている藤田寛之選手がなぜグリップの位置を比較的下げて(ハンドダウン)構えているのかが見えてくるかもしれません。
またプロはゴルフクラブの使用頻度がアベレージゴルファーとは比較にならないので、打っているうちにライ角が微妙に変化してボールの飛びに影響するので、一般的にプロ自身およびメーカーの担当者がライ角を計測して注意を払っています。
❑ 今回のプチまとめ
◯ 「ライ角」はとても大切な角度。
◯ 「ライ角」はシャフトと地面の間にできる角度のこと。
◯ 「ライ角」が大きいのを「アップライト」、小さいのを「フラット」と呼ぶ。
◯ 「アップライトなクラブ」は左↶↶へ、「フラットなクラブ」は右↷↷へ飛ばす性格のクラブ。
◯ 輸入物のゴルフクラブの「ライ角」には要注意⚠。
◯ スウィングをしっかり作ってから「ライ角」に頼る。
今回もお読みいただきまして有難うございました😃
また一緒に楽しみましょう!!