『ピンチのあとにXXIOあり!』
今回はXXIOの誕生に関してのお話をしましょう。
XXIOはDUNLOP社のゴルフブランドですね。
今や不動のブランドに育ったXXIOですが、ご使用になられていらっしゃる方は多いものの、その誕生について知るゴルファーはそう多くないのではないでしょうか?
実はXXIOはDUNLOP社のピンチの際にDUNLOP社の汗💦と知恵の🌟結晶🌟として誕生したものなんです。
DUNLOP社は80年代の後半から1999年までキャロウェイ社の日本での販売代理店を担っていました。
当時、キャロウェイ社のクラブはその性能の高さ、打ちやすさから日本でも人気があり、1990年代の後半にはプロの使用者も増えていました。
そういったわけでその頃にはDUNLOP社の販売数のかなりな割合をキャロウェイのゴルフクラブが占めるまでになっていました。
そんな稼ぎ頭にキャロウェイのクラブが成長していた矢先、キャロウェイ社が2000年から日本での販売を直接自社で行うということで1999年をもってDUNLOP社とキャロウェイ社のクラブの縁が切れることになりました。
社内でそれだけの割合を占めていたクラブの取扱いが翌年から急になくなる😱ということでDUNLOP社としては経営的に大問題です。
社内ではその売上の落ち込みを補うべく、自社ブランドのゴルフクラブの開発が進められました。
クラブヘッド、シャフト等、様々な部分に細かな検討が重ねられました。XXIOの一つの特徴である♪音♪に関してももちろん研究対象となっていたようです。
そして、ブランドネーム開発専門家の故横井恵子氏によりXXIOとネーミングされました。
もうすでに「XXIO」という単語自体が自立しているので、あらためて
「XXIOってどういう意味?」
って聞かれると、どうでしょう・・・お答えになれる方は少ないのではないでしょうか?
・・・これを知っていてもあなたのゴルフの腕前の向上にはつながらないでしょうが😱
それでも、相棒の名前の由来を知っておかれるのは悪くもないでしょう😄
・・・・・・
「XXIO」のはじめの「XXI」は21という数字の意味
なんですね。
「1はⅠ・・・4はⅣ・・・」という数字の振り方がありますね。その振り方で21を記すとXXIということです。
それでは
なぜ、21なのか?
それはXXIOは2000年から発売予定でしたので、「21世紀のクラブ」ということでそう名付けられたようです。
それでは残る「O」(オー)はどういう意味なのでしょうか?
横井氏によれば
「『O』はボールの意味で21世紀へ向かって飛んでいく⤴ことをイメージする」
とともに
「21世紀のオー(=王)」
という意味も含まれているとのことでした。
これまで(2017年現在)の9代の実績を見ますと立派に
「名は体を表す」
となっていますね!
さて、ゴルフクラブの様々な部分を一つ一つ見直し、「世紀のクラブ」として名前を与えられたXXIO初代は2000年にいよいよ登場することになります。
まだ知名度も実績もないそのクラブが成功する保証はなかったのですが、当時、DUNLOP社の契約プロでした片山晋呉プロが早速バッグに入れ、その年の秋の試合で3戦3勝してその年(2000年)の賞金王になり、一気にその名を知られるようになりました。
その初代モデルのアイアンがこちらになります。
今見てもこれは名器ですね😄 シンプルで無駄がありません。
名器はだいたいがシンプル・・・スッピン
で勝負できます。
当時の開発担当者の意気込みがそのまま伝わって来る感じがします。
次にソールを見てみましょう。
重心を下げるために広めのソールになっていますが、フェース寄り前方部分はそのソールの厚みで抜けが悪くならないように「削り」が入っていますね。
細かな気配りです!
そして、こちらが装着されていたカーボンシャフトになります。
XXIOはカーボンシャフトであればご自分のモデルが何代目かはすぐわかるんですよ♪
たとえばこの写真のシャフトには「XXIO MP100」と記されていますね。
このクラブは初代なので100、2代目は200・・・9代目は900なんです。
今後、変更されるかもしれませんが、9代目まではそのような法則性がありますよ。
さて、XXIOアイアンは推測ですが、代理販売していたキャロウェイのクラブも相当研究したと思われます。何せ、キャロウェイは当時の元祖庶民派ゴルフクラブですからね・・・。
広めのソールに、短めのネックなどは似ていますね。
ただし、XXIOアイアンとキャロウェイの主力製品のアイアンとでは決定的に違うところがあるんです。
あなたにはピン⚡と来ましたか?
それは
フェースの素材
です。
キャロウェイはステンレスのクラブヘッド素材のままのフェースですが、XXIOはクラブヘッドこそステンレス製ですが、
フェースにはチタン
が使用されています。これによりましてあの独特の爽快な打感となっています。
かなり大雑把な記憶で申し訳ないのですが、この話の舞台である1990年後半から2000年にかけまして当時のキャロウェイ社の社長が「チタンは人間との相性(※)がいい。これからはチタンアイアンが主流になると思うよ。私もチタンアイアンを使っている」とお話になられていました。
※ 音や体に伝わる振動のことをおっしゃっていたものと記憶しています。
キャロウェイ社も「ホークアイ」というチタンアイアンを出しましたが、同社のチタンアイアンは根付かなかったですね。
私の推測ですが、チタンを使用したものは大幅に販売価格が高くなってしまったので、もともと体力があって飛距離に困らることもなく、あまり道具にお金を使いたがらない欧米の一般ゴルファーに受け入れられなかったものと思われます。
一方、日本人は「いいものにはお金を出す」傾向がありますし、「ブランド」を重視しますからね・・・当然、そうした市場調査の結果もXXIOアイアンにフィードバックされていたものと思われます。
というわけで
社運に大きく響くような逆境がXXIOという名器を生んだ
んですね。
ですから、「ピンチの裏にチャンスあり」ならぬ、
「ピンチの裏にXXIOあり!」
というわけです!
はい、これがXXIO誕生のお話でした。今回もたくさん学びましたね😄
今回もお読みいただきまして有難うございました😃
また一緒に楽しみましょう!!