『タイガーも教わったセベの小技(アプローチ編<1>)』
今回は現在(2018年10月現在)世界ゴルフランキングNo.1のダスティン・ジョンソン選手を教えるブッチ・ハーモン氏も絶賛のセベ・バレステロス選手のアプローチを一緒に学びましょう。
※ セベ・バレステロス選手は右打ちですので左打ちの方は恐れ入りますが、左右を逆に読み替えてください。
まず、セベ・バレステロス選手についてご紹介しましょう。
◎ セベリアーノ・バレステロス
セベリアーノ・バレステロス選手(通称 セベ)はスペインの名選手でメジャー大会に5勝(全英オープン3勝/マスターズ2勝)しています。
日本ツアーでも若干20歳😱で日本オープンに優勝(1977年)し、翌年連覇を果たし、ダンロップフェニックストーナメントにも優勝しています。日本ツアーでは計6勝を上げています。
余談になりますが、亡くなる2ヶ月前の2011年3月の東日本大震災発生の折には自身のサイトで「私は日本と共に在る」と投稿してくださったことでも知られる親日家です。
全英オープンで駐車場から打ったショットをはじめとしまして、林の中の普通はまず抜けないところからバーディーを奪うなど、アイアンで球を曲げる技術に関しては最もうまいと言われていた選手です。
1983年のライダーカップで見せた残り250ヤード以上のセカンドショットをフェアウェイバンカーから3番ウッドで打ったショットは一流プロの間でも絶賛されているショットです。
彼はまた小技の名手としても知られていました。
それではそのセベからブッチ・ハーモン氏も絶賛する彼のショートゲームを習うことにしましょう。
彼のアプローチを習う前にまずは彼が考える基本を見ていくことにしましょう。
◎ グリップ
グリップはどのレベルのゴルファーにとっても、良い安定したスウィングのために最も大切なことです。
以下の点に注意しましょう。
⚠ 左手はナックルが二つ見え、右手のナックルは一つ見えるように。
⚠ グリップは強く握りすぎない。
※ 強く握ると前腕が硬くなりヘッドスピードを失い、スウィングが速くなりすぎる。
◎ スタンス
次の点に注意します。
⚠ スタンス幅は肩幅(ミドルアイアン)。
⚠ 膝を深く曲げすぎない。
⚠ 前傾する。
※ おへそが前へ向かないように。回転がしにくくなる。
⚠ ボール位置はスタンスの真ん中から左足かかとの間。
⚠ 足、膝、腰、肩のラインを目標と並行に構えることが大切。
◎ 目標に対しての構え方
次の点に注意します。
⚠ 飛球線後方へ下がる。
⚠ ボールから目標へのラインをイメージ。ボールの先1mくらいのところに目標を見つける。
⚠ その「ラインを見る」。
⚠ 右足とクラブフェースをセット(クラブフェースはラインに向けて)。次いで左足を置く。そして、ターゲットを見る。
◎ ワッグルの重要性
構えたらそれで終わりではありません。ワッグルをして体も止まらないように注意しないといけません。
ボールの前で止まってしまいますと体が硬直してしまうからです。
そうすると始動がぎこちなくなり、また始動が速くなりすぎたりします。
◎ 100ヤードからのプレーの仕方
◆ フェアウェイから
ここではフルショットを使用しますが、学びました「正しいグリップ」、「アドレスでの姿勢」、「スタンス」、「目標取り」を使用します。
加えてスウィングの「♪テンポ♪」が大切です。
スウィングの「♪テンポ♪」を良くする練習はいつも大切です。
ゴルフではダンス💃をする時と同じように「♪テンポ♪」が大切なのです。
◆ フェアウェイバンカーから
皆さんの多くが苦手なフェアウェイバンカーからのショットをご説明しましょう。
ショットはフェアウェイからのショットと基本的に同じですが、いくつか変えなければならない大切なことがあります。
次の点に注意します。
⚠ 足を砂に埋め、しっかりさせる。
⚠ ワッグルをする(これはいつも通り。ワッグルがなくならないように注意する)。
⚠ クラブが砂に触れないように注意。
⚠ ボール位置は通常よりも右(グリップ位置はボールより前=ハンドファースト)。
⚠ 砂に当たる前にボールをとらえられるように左足体重にしていつもよりダウンスイングの軌道が鋭角になるようにします。
⚠ フルスウィングをすることを恐れないように!
※ 頭は動かないように注意。
◆ ラフから
技術はフェアウェイからのショットと同じですが、「ライの状況」と「そのライによってボールがどのように反応するか?」を頭に入れておく必要があります。
(1)ボールがラフに浮いている場合
フライヤー(※)になる可能性が高いので注意が必要です。
※ フライヤー:クラブフェースとボールの間に芝が挟まり、バックスピン量が著しく減ってボールが飛んでしまう現象のこと。
(2)ボールが少しだけ沈んでいる比較的良いライの場合
フェアウェイからのショットにはかなわないものの、グリーン上でわりとよく止まってくれます。
(3)ボールが完全に沈んでいる場合
クラブを草深く入れないといけない為、飛距離が落ちる傾向があるのでワンクラブ上げてショットを行いましょう。
落ちてからかなり転がることを頭に入れておきましょう。
◎ ピッチショットの方法
使用距離:主に50ヤード以内
この状況からはショットの選択肢が二つあります。
ひとつは高く上がって柔らかく止まるショット。
もう一つが私たちが「パンチ」と呼ぶ、ツーバウンドめでスピンがかかるショットです。
※ 須崎註:上記のボールの反応はフェアウェイからのショット時。ラフからの場合はランが出ます。
◇ 基本的なピッチショットの方法
⚠ ボールの位置は左足かかと延長線上。
⚠ クラブはほんの少しオープン。
⚠ グリップ位置は左もも内側。
⚠ グリップを持つ場所は距離に応じて変えると良い。
※ 短距離はシャフト近くを持つ。長距離はフルショットに近いところを持つ。
⚠ 体重は左に6割でスタンスはオープン。
⚠ スウィングは目標に対してアウトサイドインで鋭角(※)。
※ 必要な弾道の高さを得るため。
⚠ 左腕が地面と平行になったときにシャフトが空を指すように(※)。
※ 左腕とシャフトの角度が90度になること。
⚠ トップオブスウィングではフェースが閉じないように注意。
⚠ ダウンスウィングでは右膝を目標方向に動かす。
⚠ インパクトでは手首を返さず、左サイドが崩れないように注意。
⚠ インパクト後、クラブフェースは自分の方向に向く。
以上のことができれば、ボールはいい感じでやわらかく止まります。
◇ パンチショットの方法
⚠ ボール位置は右足かかと寄り。
⚠ 体重はピッチショットの時よりもさらに左にかける。
⚠ テークバックはピッチショットの時よりもさらに鋭角に上げる。
⚠ その他はピッチショットと同じ。
◎ ピッチ&ランの方法
使用距離:主に25~75ヤード
◇ 基本的なピッチ&ランの方法
⚠ アドレスで高めに立つ。
⚠ クラブは短めに持つ。
⚠ ボール位置はスタンスの真ん中。
⚠ グリップ位置はボールより前(ハンドファースト)。
⚠ スウィングは左体重を保って「手」よりも「腕」で。
⚠ スピンは入らずピンまで転がって行く球になる。
◎ ロブショットの方法
ここではロブショットをお教えします。
⚠ 使用クラブはサンドウェッジ(※)もしくはロブウェッジ。
※ 須崎註:セベはロブウェッジはバッグに入れておらず、56度のサンドウェッジを愛用していました。
⚠ スタンスは目標に対して大きめのオープン。
※ スタンスの向き、膝のライン、腰のライン、肩のラインはそれぞれ平行で目標のはるか左へ向きます。
⚠ クラブフェースを開く。
⚠ 左足体重でボールに近く立つ。
※ 近く立つのはアップライトに振りたいため。
⚠ ボール位置は左足かかと延長線上。
⚠ スタンス向きに沿ってフェースを開きながらテークバックする。
⚠ ダウンスイングはフェースを開いたままスタンスの向きに沿って振る。
◎ 「フローター」(※)の方法(1)
※ 須崎註:「Floater」=「浮く」の意。ロブショットの中でも高い弾道のロブショットとお考えください。
このショットはゴルフの中で最も難しい技術の一つです。
まずは基本的な方法をお教えします。
⚠ クラブフェースを開く。
⚠ スタンスは広めのオープンスタンス。
⚠ ボール位置は左足かかと延長線上。
⚠ 体重は右足寄り(※)。
※ クラブのロフトをつけるため。
⚠ グリップ位置はボールの後ろ(ハンドレイト)。
※ さらにロフトをつけるため。
⚠ テークバックはアップライトに。
⚠ ダウンスウィングはスタンスの向き通りに。
⚠ インパクトに向かっては「右手首の角度」を極力保つ。
⚠ スウィングは緩まないようにしっかり!!
◎ 「フローター」の方法(2)
次にディボットに入っている場合の方法をお教えします。
⚠ 基本の打ち方よりもボールの手前からクラブを入れる。
⚠ テークバックは基本の場合よりもさらにアウトサイド(※)へ。
※ 目標に対して。
⚠ インパクトではクラブがボールの下に入るように注意する。
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
さて、タイガーもブッチ・ハーモンから教わったセベの技・・・いかがでしたでしょうか?
まだ続きますので残りは次回以降と致しましょう。
今回もお読みいただきまして有難うございました♫
※ 関連記事のご紹介
お読みになりたい方はタイトルもしくは「続きを読む」をクリックしてください。
『ゴルフクラブ名器 主人を語る サウンダー編』
はじめまして。 私は 「SOUNDER(サウンダー)のアイアン」 です。 かなりのゴルフクラブマニアの方でも [&hel…