『シャフト基礎講義:ゴレだけ知っておけば(2)』
シリーズものの「シャフトに関する基礎知識」、初回は「シャフトの4つの要素」と「重量」について見ました(※)が、二回目の今回は「硬さ」について講義をさせていただきたいと思います。
※ 初回をお読みになっていらっしゃらない方はこちらをお読みになってから今回の講義を受けられることをお勧めします。
『シャフト基礎講義:ゴレだけ知っておけば(1)』
今回からシリーズで「シャフトに関する基礎知識」についてお話をさせていただきます。 特別マニアでもない限り、とりあえず「これだけ知っておけば…
それでは早速、シャフトの「硬さ」についてお話しましょう♫
❑ 硬さ
硬さでは以下の6つを覚えておかれれば十分でしょう。
◆ L(Ladies)
一般女性用のシャフト。一般的に硬さの中では最も軟らかいシャフトです。
◆ A(Amateur)
本来はシニア用のシャフト。
日本では「ややヘッドスピードの速いレディースゴルファー向け」という意味合いが強いですね。
日本では「A」の意味を「アベレージ」の意味と説明している場合もありますが、誤りです。
米国では「A」の意味は「アマチュア」になります。
シニア用なのに「A」になった理由は本来は「Senior」なので「S」を使用したいところでしたが、「S」は以下の「Stiff」で使用済なので、以前より「アマチュア」として使用されていた「A」を使用することとなりました。
◆ R(Regular)
一般男性用のシャフト。
日本ではモデルにより「R」と「A」の間に「R2」という硬さを設けているものもあります。
◆ SR(Stiff Regular)
下記「S」と上記「R」の中間の硬さのシャフト。
海外メーカーの中には「ユニフレックス」といって単一の硬さのシャフトがありますが、その場合はこの「SR」になります。
代表例としてはトゥルーテンパー社がキャロウェイ社用に作成した名シャフト「M10」(Menphis10)シャフトがありますよ♫
◆ S(Stiff)
一般男性の内、ヘッドスピードが速いゴルファー用のシャフト。
◆ X(Extra Stiff)
主に男子プロが使用するシャフト。
その他にもXシャフトよりも更に硬いXX(Double Extra Stiff・・・通称「ダブルエックス」)があり、モデルによってはTour Stiffと表記してある場合もあります。
なお、ドライバーショットを400ヤード近く飛ばす海外のドラコン選手はXXよりもさらに硬い3Xや4Xといった更に硬いシャフトを使用します。
❑ 硬さ選択の目安
どのような硬さのシャフトを選べばよいかというのはクラブを選ぶ際にクラブヘッドと同様か、それ以上に大切なことです。
それでは硬さの目安を一緒に見ていくことにしますが、あくまでも「目安」だということで「一つの基準」であることをご承知おきください。
◯ ドライバー平均飛距離 (シャフトは日本仕様市販品)
150y未満 = Lシャフト
150y以上180y未満 = Aシャフト
180y以上200y未満 = Rシャフト
200y以上230y未満 = SRシャフト
230y以上260y未満 = Sシャフト
260y以上 = Xシャフト
❑ 硬さについての注意事項⚠
◯ 自分に合った硬さがベスト!!
一般的な目安を見てきましたが、飛距離が出ないのに一般的に合わないとされる「硬めのシャフト」がベストフィット!というゴルファーもいらっしゃいますし、反対に飛距離は出るのに「柔らかめのシャフト」がベストフィット!というゴルファーもいらっしゃいます。
◯ リズムで振るゴルファーは柔らかめを
リズム♪やテンポ♫の良いスウィングで振るゴルファーはご自分のヘッドスピードよりも柔らかめのものをお選びになると合う場合があります。
◯ 見栄で硬めのものを選ばない
ゴルファーの中にはたとえば「『S』が標準で『R』だとメンツに関わる」ということで無理に硬いシャフトを選ぶゴルファーもしばしば見受けられますが、「ゴルフというゲーム」が上手になりたいのであれば見栄は障害になります。
◯ 米国仕様のシャフトは硬さが違う
米国仕様のものは日本仕様とシャフトの硬さが異なります。
たとえば同じ「R」の硬さであっても、極端な場合は日本の「S」よりもウンと硬い場合もありますので注意⚠が必要です。
❑ 硬さによる影響
次に硬さによる影響について見ていきましょう。ここでは「硬いシャフト」について見ますが、「柔らかいシャフト」はこの逆になるとご理解ください。
◆ 硬いと「弾道が低く」なる
◆ 硬いと「弾道が右へ⤵⤵曲がりやすくなる」傾向あり
◆ 硬い方が「曲がりづらい」
◆ 硬い方が「バックスピン量が減る⤵」
❑ シャフトカフェ☕
シャフトの硬さには基準のようなものはありません。
見栄を張るゴルファーも多いことからたとえば本来は「R」の硬さなのに「S」の表記をしているモデルもあります。
ですから、「これまでSだったから、このモデルもSでいいだろう」と硬さの表記ばかりを目安にゴルフクラブを購入されますと失敗😫する可能性もあります。
厳密に硬さを把握されたいのであればシャフトの「振動数」を把握されると良いでしょう。
「振動数」からみますと市販の「S」シャフトは振動数240前後ですが、優秀なシャフトを供給しているPING社のGシリーズに装着されてきた「S」シャフトは270前後と「X」シャフトとして表示されていてもおかしくない😱ものです。
PING社のアイアンにはその昔、非常に硬いシャフトが装着されていて、その硬さ1種類がメインの時期もありました。
社として「しならないシャフトの方が方向性が保てる」という哲学があって、その哲学の流れが振動数270前後の「S」シャフトとして受け継がれているのではないか・・・と須崎は推測しています。
◆ 小錦関のシャフト
皆さんは大相撲の元力士の小錦関のことをご存じでしょうか?
250kg(前後だったでしょうか・・・)の巨漢で愛された力士で、テレビコマーシャルにも出演されていました。
その昔、御茶ノ水のエスポートミズノに行きました折にその小錦関のアイアンクラブが展示されていました。
そのシャフトはトゥルーテンパー社の「ダイナミックゴールド X500」というシャフトでした。
この世に存在した最も硬いシャフトと言えると思います。
ダイナミックゴールドシャフトはその当時、R100、R200・・・・X500と硬さがありまして、後ろに付く数字が大きい方が固くなるのです。
シャフトの先端を切り落としますとX500をさらに硬いシャフトにすることも可能なのですが、加工前の純粋なシャフト単体で言えばこのX500が最も硬いシャフトでした。
ちなみに米国の飛ばし屋達に今現在主流なのがX100ですから、X500がどのくらい硬いシャフトだったか・・・おわかりいただけると思います。
❑ 今回のプチまとめ
◯ 硬さの種類(例)はL、A、R、SR、S、X。
◯ シャフトの硬さは大事。
◯ 「硬い」あるいは「軟らかい」シャフトが良いとは限らない。
◯ 「硬いシャフト」は「低めに」、「右目に」、「スピン量少なく」飛ぶ傾向にある。
◯ 「軟らかいシャフト」は「高めに」、「左目に」、「スピン量多く」飛ぶ傾向にある。
◯ 「硬さ」を正確に知るには「振動数」を知ろう!
次回は「調子」についてお話することにしましょう。
今回もお読みいただきまして有難うございました😃
また一緒に楽しみましょう!!