テンフィンガーグリップでゴルフが変わる? 30年の経験を持つプロが語る、その驚くべき効果と習得法

テンフィンガーグリップは、左右10本の指すべてでグリップを握る方法です。クラブコントロールが向上し、特にダウンスイングでの左手の使い方が理解しやすくなります。ま…

ゴルフが伸び悩むあなたへ。テンフィンガーグリップという選択肢

「最近ゴルフが伸び悩んでいる…」

もしかしたら、それはグリップの握り方に原因があるかもしれません。今回ご紹介するのは、 テンフィンガーグリップ

「え? テンフィンガーグリップって、野球のバットみたいに握るやつでしょ? ゴルフには向かないんじゃないの?」

そう思われた方もいるかもしれません。確かに、テンフィンガーグリップは一般的なゴルフグリップとは異なります。しかし、長年ゴルフに親しみ、多くのアマチュアゴルファーを指導してきたプロコーチ、マイケル長谷川は言います。

「テンフィンガーグリップは、クラブコントロールを飛躍的に向上させ、今まで感じていたインパクトのズレを解消する可能性を秘めている」

今回の記事では、マイケル長谷川が自身のPodcast番組で語った内容をもとに、テンフィンガーグリップの基本、効果、そして習得方法を詳しく解説します。

テンフィンガーグリップとは? 基本の握り方とベースボールグリップとの違い

テンフィンガーグリップとは、10本の指すべてでグリップを握る握り方です。

ここで混同しやすいのが ベースボールグリップ。どちらも10本の指で握るという点は共通していますが、正確には異なります。

ベースボールグリップ は、野球のバットを握るように、左手の親指をグリップから完全に離して握ります。

一方、 テンフィンガーグリップ は、左手の親指はグリップに乗せたまま、右手の小指を左手の人差し指や中指に重ねたり、絡めたりせずに握ります。

つまり、テンフィンガーグリップは、ベースボールグリップよりも、より一般的なゴルフグリップに近い握り方と言えるでしょう。

テンフィンガーグリップの2つの効果:クラブコントロール向上とインパクトの安定

マイケル長谷川がテンフィンガーグリップに着目した理由は、大きく分けて2つの効果に期待したからです。

1. クラブコントロールの向上

ゴルフスイングにおいて、クラブを操作するのは右手と左手の2点です。しかし、従来のグリップでは、左右の手の役割の違いを意識しにくいという課題がありました。

テンフィンガーグリップにすることで、左右の手が独立してクラブをコントロールしている感覚が明確になります。特に、ダウンスイング後半での左手の動きが重要になります。

従来のグリップでは、インパクトでボールをまっすぐ飛ばそうとするあまり、左手のグリップが目標方向に一直線に進んでしまいがちです。しかし、本来はダウンスイング後半でグリップエンドを自分のおへそに引き込むように動かすことで、フェース面が開きにくくなり、正確なインパクトにつながります。

テンフィンガーグリップは、この 左手の正しい動き を体感的に理解しやすくしてくれるのです。

2. インパクトでの過剰な反応の抑制

長年ゴルフを続けていると、コースに出た際に練習場のように上手く打てなくなる、いわゆる「コースでの不調」に悩まされることがあります。これは、コースのプレッシャーやOBゾーンなどの視覚的な情報に体が過剰に反応してしまうことが原因の一つと考えられます。

テンフィンガーグリップは、 フィーリングが今までと全く異なる ため、体が過剰に反応しにくくなります。その結果、練習場でのスイングとコースでのスイングの乖離が少なくなり、より安定したプレーが期待できるのです。

実践! 18ホール "テンフィンガーグリップ縛り" ラウンドの結果

マイケル長谷川は、自ら18ホールのラウンドでテンフィンガーグリップを試しました。途中、元のグリップに戻したい衝動に駆られながらも、「絶対にテンフィンガーグリップを貫く」 と心に決め、ラウンドを続けた結果、驚くべき効果を実感したと言います。

「今まで30年以上ゴルフをやってきた中で、初めての感覚。自分のスイングの結果が、そのままボールに現れるプレーンな結果に驚いた」

通常、長年の経験を持つゴルファーほど、無意識のうちにスイングを「調整」する技術が身についてしまっています。例えば、右にボールが曲がるスイングをしていたとしても、それを打ち消すように左に引っ張る動きを加えて、結果的にボールを真っ直ぐ飛ばす、といった具合です。

しかし、このような調整は、一時的には上手くいくかもしれませんが、スイングの本質的な改善にはつながりません。むしろ、体の反応を過剰にし、ミスの原因を複雑化させる可能性すらあります。

テンフィンガーグリップは、このような 過剰な反応を抑制し、本来のスイングを最大限に引き出す 効果があると言えるでしょう。

テンフィンガーグリップの効果を最大化する練習法:右手片手打ち

テンフィンガーグリップの効果をさらに高めるためには、 右手片手打ち が有効です。

まず、普段使用しているグリップで右手片手打ちを行い、右手のどこに力が入っているかを感じてみてください。多くの場合、人差し指と親指に力が入りすぎていることに気づくはずです。

この状態では、クラブをボールにぶつけにいくような、押し込む動作になりやすく、ボールは曲がりやすくなります。

次に、テンフィンガーグリップで右手片手打ちを行います。この時、 右手の小指 を意識してグリップを握るようにしてみてください。

すると、右手の小指までしっかりとグリップを握れるようになり、クラブを 引いて使う 感覚が掴みやすくなります。この感覚こそが、テンフィンガーグリップの最大のメリットと言えるでしょう。

テンフィンガーグリップは、メリットばかり? デメリットは?

マイケル長谷川は、テンフィンガーグリップについて 「メリットばかり」 と語ります。

強いてデメリットを挙げるとすれば、 飛距離が若干落ちる 可能性がある、ということくらいでしょう。しかし、マイケル長谷川自身は、飛距離が落ちたとは感じず、むしろ 「いつもより平均飛距離が伸びているのではないか」 と感じたそうです。

まとめ:テンフィンガーグリップで、新たなゴルフの扉を開こう

今回の記事では、テンフィンガーグリップの基本、効果、そして習得方法について解説しました。

テンフィンガーグリップは、

  • クラブコントロールを向上させたい
  • インパクトでの過剰な反応を抑えたい
  • 長年ゴルフをやってきたが、最近伸び悩んでいる

そんなゴルファーにとって、 新たな可能性を秘めたグリップ と言えるでしょう。

ぜひ、練習場でテンフィンガーグリップを試してみてください。きっと、今までとは違う、新しいゴルフの世界が広がるはずです。